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カラダストレッチ通信Vol.2


バレリーナのカラダ講座。第38回「美しい首からのメッセージ」が公開されました。https://www.chacott-jp.com/news/useful/lecture/

 

長らく連載が続いてきたこの「バレリーナのカラダ講座」。解剖学、スポーツ医学的にカラダの使い方を追求することを主にお話していますが、今回の「美しい首」のように、自分を客観的に見て「美しい形、動きになっているか?」という、自身の感覚と表現力を促すことを、目的としている部分が大きいと思います。

 

現在、私たちのスタジオ「Ballet Brillante & Body Works GRANDE」では大人を対象にバレエとフィットネスを指導しています。大人になってからバレエを始めた人もいれば、子供の頃からバレエをしている人もいますが、どのような経緯があっても皆さま、現在進行中の「大人」です。

 

どこまでを「子供」というのかは人それぞれですが、子供は目の当たりにする現象や情報、知識のほとんどが「新しい出会い」であり、それらを無地のノートにどんどん書き込んでいきながら育ちます。それに対して大人は、かなり書き込んだノートを手にしている常識人だと思い込んでいて、新しい情報を書き込むスペースがあまりない。書いてある事柄以外のことは考えられない、と勝手に決め込んでいるところがあります。

 

バレエでは口頭文句のように「お尻を締めて!」「股関節を回して!」「つま先を伸ばして!」「背筋を引き上げて!」など、先生からの様々な注文があり、これらの条件が十分に満たされていないと「ちゃんとバレエができていない」というガッカリ感に襲われます。

 

でもね。大人って面白い生き物なんですよ。

 

先生の言い方にもよりますが、例えば上記の注文を受けて皆さんが咄嗟に取れるアクションはお尻、股関節、つま先、背筋... 何であれ、その部位に「グッと力を入れる」程度なのです。常識的に「締める、回す、伸ばす、引き上げる」などがどういうことなのか分かっていても、やっていることは「更に強く力を入れて、そうしよう」という具合です。

 

この「力を入れる」というのは、体のどこかをキュッと締めて「安定すること」を求める感覚。水道で例えれば、蛇口をキュッと締めて、水が出ないようにする感じ。大人の常識で考えれば、そこに水道があるならば、栓がちゃんと締まって止まっているのが正常。と感じるでしょう。

 

じゃあ栓を締めきらずに水がチョロチョロ出ている。

または蛇口全開で水がジャージャーと出ている。とすればどうでしょう?

 

非常事態発生?!力が抜ける感じがする?間違っていると感じる?パニックを起こす?!

 

しかし実はこの「水が流れ出る。その流れが川のように、波のようにどこかへ向かっていく」の感覚が「動く、踊る」ということそのものなのです。

 

大人は、今ある考え方を変えられない、自分が定めた常識やルールを曲げられない。という不思議な固定観念を持っています。自分の考え方を逆転させて、全く逆のことをする必要はありませんし、不可能です。けれども水道は「水を出すこともできるし、止めることもできる」という、少しアングルを変えて物事を見ることはできます。

 

このような「色んな角度で物事を考えられる、頭の柔軟性」を鍛えることで、多彩な「自分色」を持つことができる。

自分は変われると信じて。それが「大人としての成長」に繋がり、バレエも私生活も、自然と上手になっていくでしょう。

 

そんな「不思議レッスン」をいつも楽しく、不思議な顔で受けられる皆さんが大好きです。